前回畑の土を放射性物質検査に出してから半年が過ぎました。
I131はもう20半減期以上が過ぎていますが、Cs134とCs137はまだまだお付き合いしなければならないのだろうかと思いつつ、前回の時にこちらにも書いたように、出来る限り土壌から放射性物質を減らす努力をしてきました。また、今年は台風も多く、梅雨から秋の雨量も多かったので、それによる沈降・流出がどの程度あったのかも含めて、土壌中の放射性物質にどの程度の影響・効果があったのか知るため、11月中旬に2回目の土壌検査を受けました。
結果は、Cs134及びCs137共に検出限界値以下でした。
検出限界値はCs134が20bq/kg
Cs137が10bq/kg です
前回検査に出した個所と同じところの土を、前回は表土のみを集めましたが、今回は耕耘機をかけた後ですので表土から15Cmまでを採取しています。
お久し振りですシリーズにタイポとミスが、、
お久し振りです4中のCs147とあるのはCs137です。
〜5の農林水産省から出た通達は、7月25日付けです。
すみません。
さて、今日7月26日、農林水産省から堆肥や腐葉土の使用自粛要請が出されたようです。
随分以前からネット上では話題になっていたのですが、ホームセンターなどで売られている腐葉土の放射線量が高いということ。その腐葉土が作られているのは、今でも空間線量が高い=放射性物質の飛散・沈着量が多かった地域であるとのこと。事故後に放置されていた落ち葉を集めて作られた腐葉土であれば、それなりの放射線量があるということです。
有機農家は腐葉土や堆肥を自作します。(と思います)
まじめに作れば、その年に作った堆肥や腐葉土をすぐ使うことはありません。落ち葉などを集めて、その年明けまでには春からの作物のための踏み込み温床を用意して(今では電熱線を使う所も多いですが)使用します。温床として使用された落ち葉は、糠など共にじっくり発酵して熱を出し、堆肥になります。それをまた1年2年寝かせて初めて堆肥として使用するのです。
3月の事故時に放置されていた落ち葉を使うのは、、、?
また、春に刈りとった麦わらをマルチとして使い、それを堆肥として積みこんでおくこともありますが、うちは風が強く吹くので麦わらマルチが役に立たず、使用していません。畑畝の乾燥防止、雑草防止に使いたいのですが、ビニールマルチをしっかり敷いても風でばたついてしまうこともあるくらいで、かつて麦わらを使ったときも、あちこちに飛んでしまうので使うのはやめました。堆肥にも使用していません。
季節が過ぎて露地栽培の時期になり、さてどうしたのか。
まず、何も無く空気にさらされていた場所は避け、秋作・冬作野菜が終わった後放置してあった所で残滓やマルチを片付け、雑草を片付けて作付けました。
今年も春が遅く、草の動きも遅かったのですが、一番に生えた草は抜いて畑の隅に積み(最も放射性物質の吸収が多いと考え)、二番・三番と生える草は抜き取り・刈って乾かし燃やしています。事故時にさらされていた場所は雨にさらし、草を生やしては抜き、耕耘機を何度もかけて様子を見ています。
土質にもよるのですが、チェルノブイリ事故後のフランスでは、時間経過とともに放射性物質の沈降がおこり、作物の根の届かない状態になるということで、Cs147の半減期よりもずっと早く植物への移行へ低減するとのこと。また日本の土壌学会の推奨する農地の除染法には、耕耘して沈降させるということもありましたので、出来る限りのことを、勘違いせず間違わないように実践したいと思っています。
5月の中旬に畑の土を土壌検査に出しました。
野菜自体の検査を求められるのかも知れません。ですが多品目を栽培している中、全てを検査に出すこと、出し続けることは、小規模農家には資金的に不可能です。
放射性物質の飛散は、3月中下旬に大規模なものがあり、その後は微量の放出はあっても安定している。
ならば、これからは土壌からの移行が中心となるはずで、土壌にある以上の放射性物質が野菜から検出されることは無い、と考えました。
農地の検査は、耕耘することを考慮して、地表から15センチメートルまでの土を1キログラム採取することになっていますが、あえて、秋から作物も無く草もなくさらしてあった場所の土を表面から集めました。まだ、大量の雨も降っていませんでしたので、放射性物質の沈降も始まらず、耕起による移動も無いと考えたからです。
結果は、、、もっと低ければ良かったのに!ですが、その1割が野菜に移行したとしても、検出限界値にかかるかどうかというものでした。(限界値の設定によりますが)
野菜の種類による移行係数も、農林水産省や過去の研究による論文など散見される中、確実なものと言えるのかどうか悩むところなのです。
この結果数値については、お客さまにはお伝えしてあります。